ブーメラン効果/心理効果・心理実験

心理学のいろんな実験や心理効果を紹介

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「ブーメラン効果」(強い反発・説得の逆効果)

ブーメラン効果 Boomerang effect

概要

唱導方向 (説得しようとする方向) とは逆方向への態度変化を生み出す効果の事。
「彼は私の懸命な説得によってかえって態度を硬化させてしまった」などの表現で表される、
説得行為による 「態度硬化」・「強い反発」 を生み出す事です。

強い抵抗を生み出してしまう要因には、
1.自分の立場や意見に対する強い責任感を感じている
2.自分の信念や大切な価値観に対する説得が行われた
3.「説得を行う」などと予告された上で説得が行われた(説得予告)
4.自分が嫌う人から自分の意見に対する賛同を示された
5.押しつけがましい態度によって賛同を示された(リアクタンス) などがあるとされています。

強く投げれば強く返ってくるブーメラン

実験内容

アメリカの心理学者コーエンが大学の男女共学に関する少し回りくどい説得実験を行いました。
男女共学に関して批判的な意見を持つ被験者を集め、
「説得力の有無やその程度を調査します。男女共学問題に関し、どちらかといえば賛成の意見を持つ相手を説得して下さい」と前置きします。
その上で、説得(男女共学に反対の立場にさせる)のための文章を書かせますが、最初から仕込まれている説得相手は、
「どちからと言えば賛成」 から 「賛成」・「全面的に賛成」へと、説得の失敗を意味する答えを返します。
説得場面では、説得するつもりが逆に同調してしまう事が多いのですが、
「賛成」へと少しだけ態度を硬化させた相手を担当した被験者の中に同調者が多く出たのに対し、「全面的に賛成」へと大きく態度を硬化させた相手を担当した被験者の中の同調者は、2割弱しかいなかったそうです。
そして、「共学に反対」する程度をかえって強めた人が6割弱にのぼったとの事です。
少し分かり難いですが、強い反発には強い反発でお返しをするといった事が見て取れます。

具体的な実感シーン

誰かを説き伏せようとすればするほど、かえって大きな反発をまねく事が多いのはよく知られています。猛反対を受ける恋愛を貫く話を見聞きした事があるのではないでしょうか?

説得を行う場面において使用される言葉や手法は様々ですが、人それぞれに納得しやすい説得のされ方(好みの説得のされ方)があり、かえって態度が硬くなる説得のされ方もあります。
また、「誰が説得しているのか?」が重要なファクターとなる説得シーンでは、若手社員は大きな不利を抱えている事になります。
伝統的な判断・価値基準として、「若い=未熟」「若い=教えられる立場」といったものが色濃く残る日本では、さらに大きなハンディを抱える事になります。
「理屈では納得したけど、感情面でどうしても納得できない」となり、プッシュされればされる程に態度を硬化させてしまいます。

ブーメラン効果を生み出す要因

説得しようと頑張る事がかえって相手の反発を生み出してしまうブーメラン効果。
ブーメラン効果を生み出す要因についてもう少し。

1.自分の立場や意見に対する強い責任感を感じている

「吐いた言葉に縛られる」などと表現し、自分の言動に縛りを受けてしまう事を、「コミットメント」(commitment)と表現します。
こんな時に説得を受けても効果は薄く(凍結効果)、かえって反発を招きます。

2.自分の信念や大切な価値観に対する説得が行われた

「自分という人間を表す本質的な部分である」と、深くコミットしている信念や価値観への説得は、自分の存在への攻撃として受け止められます。

3.説得予告

さほど重要に感じていない事であれば、「これからあなたを説得します」と言われてから行われる説得に効果があるとされますが、大切に思う事柄に関する説得予告は反発を強めます。

4.嫌いな相手からの賛同

「生理的に嫌」「とにかく嫌い」な相手とは、常に敵対する関係でいたいという心理が働きます。

5.押し付けがましい態度による賛同

選択・判断の自由を侵される事への反発(リアクタンス)は、他人が示す押し付けがましい態度の中にも見て取ってしまいます。
賛成してくれているのも関わらず、「そんな人とは反対の立場でいたい」という心理が働きます。


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