ビジネスと色彩効果

色、彩り、色彩の効果や印象の違いを利用する仕事の世界

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ビジネスで利用される色彩効果

色と人のマネジメント

会社は、主に2つの役目を持つ人達によって運営されています。
1つは営業や宣伝など対外的な活動を行う事によって会社の活動そのものを支える人達。
もう1つは、管理や教育など社員に関する活動を行う事によって働く人達を支える人達です。
1人のビジネスマンがどちらか片方だけの働きをしているのではなく、受け持った役割りを果たすために社内、社外の人達とやり取りをしていきます。

それぞれの活動領域の中で、「営業術」「交渉術」「管理術」「時間管理術」「会議術」・・といった仕事の技術が発揮されますが、どれもが人の心に関する要素が大きなものであるため、広く心理学の知識を持つ事で大いに助かる事になります。
その中で、心と色を扱う分野である 「色彩心理学」 に関し、人の管理・監督面で実際に活用されている知識を紹介します。

1.色と経過時間(体感時間)

仕事では、「効率」「能率」を追い求める姿が求められ、それを実践できる人が褒められる仕組みになっています。そして、成果を数字で測り難い管理部門の人達にとってはこれが顕著になります。
ある会社の職場環境を整える事を担当する部署では、会議室(ミーティングルーム)の改装を行うにあたり、色と経過時間(体感時間)に関する色彩効果を導入しました。

青色は、人をゆったりとした落ち着いた気分にさせ、時間の経過を忘れさせる効果が有り、
赤色は、人を少し落ち着かない気分にさせ、時間の経過を早く感じる効果があるとされています。
これは、人体の中で脳が消費するカロリーが一番多い事が知られていますが、興奮や覚醒を呼び起こし易い赤色が脳を活性化させて新陳代謝を活発化させ、同じ時間であっても消費エネルギーが多くなる事が時間経過を早く感じさせる事が原因とされています。

その会社が行ったのは、内装を青系で統一した部屋と赤系で統一した部屋を用意する事でした。
(どぎつい印象を薄めるために実際にはピンク系が使用されました)
ミーティングルームには社内のみならず出向いてもらった社外の人が出入りする事があります。
だらだらと結論を先延ばしにする社内会議には無駄が多いため、社内会議には赤色の部屋の使用を推奨し、社外の人とじっくりゆっくり話しをしたい時には青系の部屋。早々に切り上げたい時は赤系の部屋を使うといった具合に、部屋を使い分ける事を社員に推奨して効果を上げたとされています。

また、
この会社は精密機器を製造販売するメーカーですが、全国のエンドユーザーからの苦情引き受け先として設置されている 「お客様相窓口」では、対応する社員が冷静さを失わず問題の解決を急ぐ事がないようにと、室内を青系で統一しています。

2.コミュニケーションの促進

働く人を取り巻く環境が大きな変化を遂げ、社内コミュニケーションの機会の減少や質が低下したため、会社において疎外感や孤独感を味わう人が増えてきたとされています。
こういった状況に危機感を抱く会社の中には、「効果がない」として中止していた、社内運動会や社内報を復活させる会社が現れてきています。
ある会社では、喫煙室と休憩室の改装、女性社員の制服と男性が着用するネクタイの配布にあたり、黄色をベースにしたものに変更したそうです。

コミュニケーションカラー(黄色)のネクタイ

「開放の色」と言われる黄色は、それを目にする人に温かみを感じさせ、本心を隠す事なく話す事に貢献する色とされます。
導入後間もないため、明確な効果の測定は未だできてはいませんが、「休憩室で話しがはずむ」といった声が届いているそうです。

3.色と温度(体感温度)

身体を温める赤い下着

「赤い下着を身に付けると身体が暖まる」などと言われていますが、これは本当であって本当でないものとされています。
何色であろうとも、保温や保湿の効果に測定可能な数値の違いが出る事はありませんが、心の働きの違いによって体感温度に明確な違いが見られる事が知られています。

大規模なデータセンターを抱えるあるIT関連企業では、多数の大型コンピューターが発する熱の冷却問題に頭を悩ませ、何がどの程度の熱を発散しているのかを温度分布センサーを使用して測定しました。
コンピューターが発熱の大部分を占めている事に間違いはありませんでしたが、そこで働く人が発する熱量も相当のものに及んでいる事が判明したそうです。
そして、データセンターの増床にあたり、ライトグレーをベースにした内装案を採りました。
(暖色系と寒色系の体感温度には、2〜3度もの違いがあるとする色彩効果が発表されています)

その後同様に温度測定をしたところ、人体からの発熱量が明らかに減少し、少なからず冷房費の節約に寄与したとしています。


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