「暗黙知」「フェティシズム」「言い訳」
暗黙知 tacit knowledge
概要
「語る事ができることよりも多くのことを知っている(感じている)」事実や状態の事。
言語化はできないけども、何かを知って蓄積していく過程での不可欠な認識の仕方の事を指し、ポラニーは「近接項」と「遠隔項」という2つからなる構造を持っているとしています。
転ばない自転車の運転方法を覚えるにあたり、直接的に接触しているハンドルやサドル、ペダルの感覚が「近接項」。
車輪とハンドルを通じて路面の様々な状態を把握する感覚が「遠隔項」です。
取り上げた理由
本来は物事を覚えていく学習過程に関する用語ですが、ビジネスマンにとっての『暗黙知』は、ナレッジマネジメントに関する語句として知られています。
ナレッジマネジメントとは、従来は目に見えないノウハウとして個人個人の中に沈んでいた知識や経験、仕事のやり方や情報を共有化していく事で、より強く、より均一化された組織を作り出す事を目的とする考え方やシステム全般を指すものです。
『暗黙知』の見える化や形式知化は、組織自体が真剣に取り組まないと上手くいかない事がよく知られています。
知識や情報の共有化の大切さを実感している経営者や上司の下に付く事ができれば幸運ですが、運に頼って口を開けて待っているいる訳にはいきません。
古臭いものですが若手社員にとっての必要な行動は、「業を盗む」「ノウハウを吸収していく」姿勢で先輩の中にある 『暗黙知』をまずは表に出してもらう事になります。
意外な人が意外な経験やノウハウを持っていますので、先入観にとらわれない心で先輩や上司を眺めてみて下さい。
フェティシズム fetishism
概要
性的倒錯、性的特殊嗜好の一つで、性愛の相手の身体の一部分や身につけている物に対する強い愛着の事。強い執着・愛着を覚える物それ自体への愛情の念。
一般的には男性が多く抱くもので、女性にはまれであるとされています。
取り上げた理由
広く市民権を得て日常的に使われる言葉として、「〜〜フェチ」があります。
「大好物」などに言い換えられるように、強く興味を惹かれるポイントや物として使われています。
心理学用語の『フェティシズム』は、一般の人には理解不能なものへの偏執的(変質的)な愛情とされ、多くの性犯罪の背景にあるものとされています。
理屈ではなく気になって仕方がないものへの執着心が暴発的な行為に走らせるとされています。
これらとは大分レベルが違いますが、日常の中で関係し合う人の行動や性質に対する『マイナスのフェティシズム』があり、
「理屈じゃなくて、それを直してくれないとまともに向き合えない。生理的に許せない。」といった言葉になって表れます。
直接関係のある上司が『マイナスのフェティシズム』を持っていたら大変ですが、このフェティシズムに対しては頑なに拒否する事なく理解を示していかざるを得ません。
言い訳 account / excuse
概要
釈明。不適切な行為や期待外れの結果を生じさせた場合に、その行為と期待の間のギャップを埋め合わせるために行為者が行う理由説明の事です。
弁解や自己正当化などの形態があるとされています。
ハーヴェイは、「物語のような構成のもので、筋書きや登場人物、時系列、感情表現などを含むもの」と定義しました。
取り上げた理由
一般的に『言い訳』には良いイメージがありません。正当な理由説明をしているのも関わらず、「言い訳をするなっ!」などとなる事もあります。
期待をしていた、あるいはできて当然と思っていた事柄に関して、思ったような結果を出してくれなかった部下が、聞きもしないのに理由を説明し出すと『言い訳』と取られます。
また、『言い訳』の中にどう考えても本人の力が及ばない(不可抗力)の要素が見つかれば、『説明』『結果報告』と受け止めてもらえます。
どちらにしても、『言い訳』をする姿は見苦しく、仕事に対する覚悟が無いものとして映り易い事やその行為自体を非常に嫌う人が多い事は事実です。
自分の身を守るために正当な主張や説明をする事は勿論必要ですが、聞かれてもいないうちから出来なかった理由を話し出すのは得策ではありません。
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